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K DUB SHINE –
21世紀 それで平気?
RHYMESTER『口から出まかせ』
皆様こんにちは、酒好きブロガーのシサカです!!
飲み会の帰り道、こんな気持ちになったことはありませんか。

「飲まされ過ぎて酒が、怖くなった」
「飲めないと言えなかった」
「断ったら空気が悪くなった」
もしかしたらそれは、アルハラに遭っているのかもしれません。
アルコール・ハラスメント
通称アルハラ。
言葉としては広く知られるようになりましたが、
「実際にどこからがアルハラなのか?」がわからず、曖昧なまま我慢している人は今も多くいます。
「これくらいで大げさかな」と思ってしまう。
「断ったら雰囲気が壊れる」とためらってしまう。
そういう感覚は、とても自然なことです。
でもそれは、相手の都合に、あなたが合わせさせられているだけかもしれません。
悪意がなくても、場の空気に乗って煽ってしまった。その一言が、誰かにとって忘れられない苦い記憶になっていることがある。
この記事では、アルハラの定義からよくある具体例、法律の話、対処法まで、まとめて解説します。
そして最後に、酒が好きだからこそ知っておいてほしい、大切な話をします。
お酒とは、誰かを傷つけるためにあるのではありません。
その話を、一緒に考えてほしいと思います。
アルハラとは?

アルハラとは
「アルコール・ハラスメント」の略です。
本人の意思を無視して飲酒を強要したり、飲めないことを理由に馬鹿にしたりする行為を指します。
アルコール健康医学協会も提唱しているように、問題の核心はシンプルです。
「どれだけ飲んだか」ではなく、「相手の意思を無視したかどうか」。
たとえ一口でも、強制ならアルハラに該当する可能性があるのです。
よくあるアルハラの具体例

特に歓迎会や職場の飲み会で起きやすいものを挙げます。
- 新人は一気飲みが当たり前という雰囲気
- 上司の酒を断れない空気
- ノンアルコールを選ぶと白い目で見られる
- 「お酒が弱い=根性がない」という決めつけ
- 飲み会を欠席すると評価が下がる
- 酔った姿を無断でSNSに投稿する
- 女性にだけ甘いお酒を強いる
- 潰れるまで飲ませる
- 酒の席での長時間説教や「俺の若い頃はもっと飲んだ」という自慢話
いかがでしょうか?
文化だと思っていたものが、ハラスメントだったということは、案外多いものです。
どれか一つでも心当たりがあるなら、それは「文化」でも「ノリ」でもなく、ただのハラスメントの可能性があります。
アルハラの起きやすいシチュエーション

「具体的にどんな場面で起きるのか」を知っておくことは、自分を守る上でとても大切です。
実際に起きやすいシーンをいくつか紹介します。
エピソード①:歓迎会の「洗礼」
入社したての4月、歓迎会が開かれた。
先輩たちが用意したのは、大きなジョッキに注がれたビール。
「新入りは一発芸と一気飲みがうちの伝統」と笑いながら言われ、断れなかった。
こういった「伝統」と呼ばれる慣習は、今も多くの職場や部活動に残っています。本人が笑って飲んでいても、断れない空気の中でのことなら、それはアルハラです。
エピソード②:「付き合いが悪い」というプレッシャー
上司との飲み会でビールを一杯断ったところ、「お前、付き合い悪いな」と言われた。
それ以来、飲み会のたびに断ることへの罪悪感を感じるようになり、飲めない体質にもかかわらず無理をするようになった。
飲酒の強要は、必ずしも「飲め!」という直接的な言葉だけではありません。
こうした間接的なプレッシャーも、立派なアルハラです。
エピソード③:妊娠中・服薬中への無理解から
「少しくらい大丈夫」
「昔は妊婦も飲んでたよ」
妊娠中であることを伝えたにもかかわらず、飲酒を勧められた。
断り続けてもしつこく勧めてくる場合、当事者が精神的に消耗するのはもちろん、健康リスクも伴います。
薬との相互作用や体質的な問題で飲めない人に対しても、同様のことが起きています。
「飲めない理由」を一つ一つ説明する義務などないのです。
エピソード④:SNSへの投稿
酔った勢いで撮られた写真が、翌朝には職場の同僚のSNSに上がっていた。
本人は酔って覚えていないような状態だったにもかかわらず、コメント付きで投稿されていた。
近年増えているのが、こうしたSNS絡みのアルハラです。
酔った姿の写真や動画を本人の許可なく公開する行為は、プライバシーの侵害にもなりえます。
アルハラは違法になる?法律とリスクの話

「ハラスメント」と聞くと、道義的な問題として捉えがちです。
しかし、アルハラは状況によって明確に法律違反となり、刑事・民事の両面でリスクが発生します。
① 傷害罪(刑法204条)
無理やり飲酒させた結果、急性アルコール中毒になった場合、傷害罪が成立する可能性があります。
実際に、飲み会での一気飲み強要で参加者が死亡し、強要した側が有罪となった判例も複数存在します。
「飲んだのは本人」では免責されません。
「飲ませた状況を作った」ことが問われます。
② 強要罪(刑法223条)
「断ったら評価を下げる」「断るなら帰れ」など、立場を利用して飲酒を強制した場合は強要罪に該当しえます。
上司と部下の関係性の中での強要は、特にこの点が問題になりやすいです。
③ 不法行為責任(民法709条)
刑事事件にならなくても、民事上の不法行為として損害賠償請求の対象になりえます。
精神的苦痛(慰謝料)や、体調不良による医療費・休業損害なども含まれます。
④ 会社の安全配慮義務違反
職場の飲み会でアルハラが起きた場合、会社そのものが責任を問われることがあります。
労働契約法第5条は「使用者は、労働者の生命・身体等の安全を確保しつつ労働させる義務を負う」と定めており、飲み会であっても職場関係の延長とみなされれば適用されます。
実際に、職場の懇親会でのアルハラによって従業員が体調を崩したケースで、会社への損害賠償が認められた裁判例もあります。
⑤ パワハラ・ハラスメント防止法との関係
2020年に施行されたいわゆる「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」は、優越的な関係を背景にした言動によって就業環境を害する行為を禁止しています。
上司が部下に飲酒を強いる行為は、これに該当する可能性が高いです。
厚生労働省のハラスメント指針でも、職場の飲み会における強要的な言動は問題行為として例示されています。
「ノリだった」「冗談のつもりだった」は、法律の前では通じません。
アルハラが起きる4つの理由

ではなぜアルハラは起こるのでしょうか?
理由を解説します。
①同調圧力
「飲めない=空気が読めない」という空気が、断ることを難しくします。これが日本の飲み会文化の最大の問題です。
②上下関係
上司から部下へ、先輩から後輩へ。
「断れない構造」の中にいる人は、明示的な強要がなくても逃げ場がありません。
③古い成功体験への執着
「昔は飲んで仲良くなった」という感覚は、ただの生存バイアスです。
苦しんだ人は声を上げず、語られないだけ。
④無知
現在は色々な企業が飲み会やお酒に関するコンプライアンスを制定しています。
ですが残念なことに、お酒を乱用したハラスメントは令和の時代でも後を絶ちません。
コミュニケーションにおいてお酒は便利なものではありますが、同時に責任が伴います。
お酒に関する認識をしっかりとアップデートしましょう。
アルハラを受けたときの対処法

被害を受けたとき、多くの人が「その場でどうすればよかったのか」と悩みます。
また、その後の対応を誤ると、状況がさらに悪化することもあります。段階ごとに整理します。
STEP1:その場での断り方
まず大前提として、断る理由を詳しく説明する必要はありません。
長々と説明すると「じゃあこういう理由ならいいでしょ」と切り返されるリスクがあります。
短く、明確に、繰り返す。
それだけでよいのです。
- 「体質的に飲めないので、ソフトドリンクをいただきます」
- 「今日はお酒は控えさせてください」
- 「薬を飲んでいるので、今日は飲めないんです」
- 「明日朝早い予定があるので、今日は遠慮します」
- 「ノンアルでも楽しんでいますので、お気遣いなく!」
「体質」や「薬」を理由にするのは、反論されにくいという意味で有効です。
また、「飲みたくない」ではなく「飲めない」と伝えることで、相手が引き下がりやすくなる場合があります。
それでも執拗に勧めてくる相手には、「すみません、本当に無理なんです」と繰り返すだけで十分です。
それ以上の説明は不要です。
STEP2:記録を残す
その場をどうにかやり過ごしたとしても、同じことが繰り返される可能性があります。
そのときに備えて、記録を残しておくことが大切です。
記録すべき内容は以下の通りです。
- 日時・場所
- 誰が(役職も)何を言ったか、何をしたか
- 周囲にいた人(目撃者)
- 自分がどう断り、相手がどう反応したか
- その後の体調や精神状態
スマホのメモアプリで十分。
その日のうちに残しておくと、記憶が鮮明なまま保存できます。
後々証拠として使うかどうかは別にして、まず「自分のために残しておく」という感覚で始めてみてください。
STEP3:信頼できる人に相談する
職場内であれば、以下のような相談先があります。
- 社内のハラスメント相談窓口
- 人事部・総務部
- 産業医・産業カウンセラー
- 直属以外の信頼できる上司
また社外の相談先としては、以下が利用できます。
- 総合労働相談コーナー(全国の労働局・労働基準監督署に設置)
- みんなの人権110番(0570-003-110)
- 都道府県の労働相談センター

とはいえ、こんなことくらいで相談してもいいのだろうか?
と思うかもしれませんが大丈夫です。
相談することで状況が整理されるだけでも、大きな意味があります。
STEP4:会社への正式な申告・法的対応
記録が揃っており、被害が深刻であれば、会社への正式な申告や、外部機関への相談も選択肢に入ります。
会社がハラスメントを放置した場合、会社自体の安全配慮義務違反として責任を問える可能性がありますし、弁護士への相談は、多くの地域で無料の初回相談が利用できます。
もう本当に我慢できない状態であれば相談しましょう。
「大げさかもしれない」と感じる必要はありません。
自らの尊厳を守ることは、正当な権利です。
酒好きこそ、アルハラを嫌うべき理由

ここからが、この記事の核心です。
われわれ酒好きこそアルハラをしてはいけない理由を一緒に考えていきましょう。
理由①:強制された酒ほど不味い酒はない
本当に美味しい酒とは、自分で選んだ一杯のことだと思うのです。
好きなお酒を、好きな人達と飲む。
それが酒の喜びです。
強制されて飲むお酒には、その喜びが一切ありません。
酒嫌いになった人の多くは、味ではなく「思い出」が原因だと言います。
アルハラは、お酒という世界の間口を塞いでしまうのです。
理由②:酒文化そのものを壊す
バーで飲む一杯、お気に入りのボトル、カクテルの背景にある物語。
お酒にはそういった趣きや文化があります。
それを「一気!」の一言で台無しにするなら、酒はただ人を貶める道具に成り下がってしまいます。
お酒文化は、急かすのではなく、同調の中から広がっていくのです。
理由③:アルハラは自らの弱さの表れ
酒を使って相手をコントロールしようとする人は、言葉だけで繋がれない人です。
本当にお酒が好きな人がすることは一つ。
相手のグラスをよく見ること。
減っていないなら、勧めない。
それだけです。
理由④:若者が酒から離れていく
近年の「若者の酒離れ」は、時代の変化という問題だけではありません。
アルハラによる苦い経験が、お酒そのものへの拒絶感を生んでしまいます。
酒好きの方たちが何もしなければ、酒文化は静かに衰退していきます。
アルハラのない飲み会の作り方

特に難しいことは何もありません。
- 最初に「飲める量」を確認する
- ソフトドリンクを普通の選択肢とする
- 一気飲みを求めない・求めさせない
- 途中退席を認める
- 食事を中心にして、酒は脇役にする
これだけで、飲み会の空気は大きく変わるのではないでしょうか。
本当に美味いお酒の一杯は、押しつけない場から生まれます。
酒と、自由ということ

かつて哲学者のジャン=ポール・サルトルは言いました。
人間は自由であり、
つねに自分自身の選択によって行動すべきでものである
…お酒も同じです。
自分で選ぶ一杯は自由でも、強制された一杯は不自由です。
お酒は、人を縛るためにあるのではありません。
この夜を、そしてあなたの人生そのものを少しだけ良いものとするためにあるのです。
まとめ

アルハラは、飲み会の問題ではなく、尊厳の問題です。
まず飲むかどうか、
どれだけ飲むか、
そしてどう飲むか。
それを決めるのは、その人自身であるべきです。
誰かに強制されることでも、場の空気に流されることでもない。
それは、小さいようで、とても大切なことです。
もしあなたが今、アルハラを受けていると感じているなら、それはあなたのせいではありません。
断れなかったことも、我慢してしまったことも、責める必要はありません。
ただ、これからは少し違う選択肢があることを、知っておいてほしいと思います。
そしてもしあなたが誰かと飲む側にいるなら、ぜひ一つだけ意識してほしいことがあります。
相手を、見てください。
乗り気でないなら、勧めない。
難しいスキルも特別な知識も要りません。ただ、相手を見ること。
それだけで、その場は変わります。
このブログを読んでいるお酒好きの方たちには、アルハラを止める側に立ってくれている事を願っています。
飲み会は、誰かを試す場所じゃない。
誰かを縛る場所でもない。
美味しいお酒は、自由な場所から。
誰も無理をしていない一杯が、いちばん旨い。
好きな人と、好きな一杯を、好きなペースで。
それだけでいい。
あなたの夜が、そういう夜に生まれ変わりますように。
ではまた。
サラリーマンの傍らブログ運営。
お酒にまつわる情報や考えを、心理学や哲学など色んなネタを絡めながら発信しています。
気分によって文体がコロコロ変わるので悪しからず。


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