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映画に登場するカクテルたち:銀幕を彩る名シーンの一杯

皆様こんにちは、酒好きブロガーのシサカです!

突然ですがこれを読んでいる皆さんは映画はお好きだろうか?

現代エンターテイメントの代表格である「映画」はそこに登場する音楽、ファッション、言葉、そしてお酒までもが人々の記憶に残るメディアです。

そして、様々な映画の中に登場するカクテルもまた、ただの飲み物ではありません。

登場人物の性格や状況を表現し、ときには観客と感情をシンクロさせるために場を演出する——それが映画に登場するカクテルの役割ではないでしょうか。

今回は映画の中に登場する6つのカクテルを取り上げ、その映画的演出やキャラクターとの関係、レシピや文化的背景まで、深く掘り下げてご紹介します!

目次

映画に登場するカクテル6選

①ウォッカマティーニ(Vodka Martini)—『007』シリーズ

映画との関係性

「Vodka martini. Shaken, not stirred」

(ウォッカ・マティーニ。ステアではなくシェイクで)

『007』シリ―ズの主人公、ジェームズ・ボンドが劇中で度々口にするこのセリフ。

映画好きの方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

このセリフは単なる注文ではなく彼の意識やスタイル、美学を象徴しているといえます。

通常、マティーニはジンベース + ステアで作られるレシピが一般的ですが、ボンドはあえてそれを破ることで自らのスタイルを貫く姿勢を示しているのです。

これは危険な任務においても「ルールに縛られ過ぎない」という信条を表しているのではないでしょうか。

どんなお酒?

カクテルの王様」と呼ばれるマティーニは19世紀末に生まれたクラシックカクテルでドライ・ジンにドライベルモットを加えたレシピが一般的です。

普遍的で広く知られている反面、作り手の解釈でレシピが少しずつ変わるため、バーテンダーの腕が問われるカクテルとも言われています。

作中でボンドが好むのは、ベースをドライ・ジンからウォッカに替えたレシピでジンベースのマティーニよりも味わいはソフト。「ボンドマティーニ」や「カンガルー」の愛称で呼ばれることもあります。

②ホワイト・ルシアン(White Russian)—『ビッグ・リボウスキ』

映画との関係性

1998年公開のコーエン兄弟によるコメディ映画『ビッグ・リボウスキ』。その中で主人公「デュード」ことジェフリー・リボウスキが、ほぼ全編を通して飲んでいるのがこのホワイト・ルシアンです。

この映画の魅力は、徹底した脱力感。

デュードは仕事も野心も持たず、だらだらと日々を過ごす男ですが、ホワイト・ルシアンはそんな彼にとって日常の一部であり、精神安定剤のような存在です。

彼がカウンターで、スーパーマーケットで、果ては誘拐された後にもホワイト・ルシアンを手にしている様子は、「どんなに世界がカオスでも自分を崩すことはない」というある意味彼の人生哲学のようなものを感じさせます。

どんなお酒?

ホワイト・ルシアンは、ウォッカとコーヒーリキュールに生クリームをフロートさせたカクテル。

ウォッカの刺激的な口あたりを甘いコーヒーリキュールと生クリームで包み込み、とても飲みやすくなっています。

名前の由来は「ルシアン(=ウォッカ)」 + 「白(=クリーム)」からきています。もともとはブラック・ルシアン(クリームなし)というカクテルが先にあり、その派生だと言われています。

③フレンチ75(French75)—『カサブランカ』

映画との関係性

”君の瞳に乾杯”

あまりにも有名なこのフレーズはお酒好きならずとも一度は耳にしたことがあると思います。

何を隠そうこのセリフの元ネタがこの『カサブランカ』という映画作品なのです

『カサブランカ』(1942年公開)は第二次世界大戦下のモロッコ、カサブランカを舞台に政治や恋愛の絡んだ複雑な人間模様を描いたクラシック映画です。

その主な舞台となるのが「リックのカフェ」であり、主人公リックの営むBARで提供されていたのがこのフレンチ75なのです。

作中でイボンヌという女性がこのカクテルを注文するシーンがあります。これは失恋を吹き飛ばす意味合いと、激動の時代の中でも失われない「粋」を象徴しています。

シャンパンとジンという贅沢な組み合わせが、リックのような洗練された大人の雰囲気ととてもマッチしていますね。

どんなお酒?

第一次世界大戦中にパリで生まれたカクテルであり、その名は当時フランスの最新鋭軍砲「75mm砲」に由来します。

辛口のジン特有の風味をレモンジュースが包み込み、フレッシュな美味しさに仕上がっています。

④マルガリータ(Margarita)—『マトリックス:レボリューションズ』

映画との関係性

『マトリックス』シリーズ最終章『レボリューションズ』では、仮想世界と現実の境目があいまいになる中で登場するクラブシーンが印象的です。

その中で主人公たちが一時的に遭遇するのが「メロビンジアン」という権力者で、彼のクラブで提供されていたのがこのマルガリータ。

明るい色彩、酸味と塩気のバランス、刺激的な味――このカクテルは、まさに「仮想現実の官能性」を象徴しているようですね。

どんなお酒?

テキーラベースのスタンダードカクテルとして有名なマルガリータ。

ホワイトキュラソーの甘みとレモンの酸味が調和したこのカクテルはアメリカ、ロサンゼルスのバーテンダー、ジャン・デュレッサー氏が亡くなった恋人マルガリータを偲んでつくられました(諸説あり)。

またマルガリータにはさまざまなバリエーションがあり、ホワイトキュラソーをブルーキュラソーに替えた「ブルー・マルガリータ」やクラッシュドアイスとブレンドしてシャーベット風に仕上げた「フローズン・マルガリータ」なども人気です。

⑤オールド・ファッションド(Old Fashioned)—『ロスト・イン・トランスレーション』

映画との関係性

“For relaxing times, make it Suntory time.”

当時、映画の予告編にも使われたこのセリフを憶えている方はいるでしょうか。

ソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)は、異国東京の高層ホテルで静けさと孤独に包まれながら過ごす、淡く繊細な物語。

常にその中心にあるのが一杯のウイスキー——「オールド・ファッションド」です。

この映画においてこのカクテルは単なる飲み物ではありません。
異文化との距離感や孤独を表す演出装置であり、それを嗜むのは自分を保つための儀式でもあるのです。

静かな店内、響く氷の音、ゆったりと流れるジャズ。その中で交わされる視線と置かれた一杯のグラスが二人の心を描き出すのです。

どんなお酒?

オールド・ファッションドは、19世紀アメリカで誕生したその名の通りもっとも古いカクテルのひとつ。

基本はウイスキーに砂糖とビターズ、そしてオレンジの香り。

シンプルだからこそ素材のクオリティとバーテンダーのスキルがそのまま反映されるカクテルなのです。

映画の終盤シャーロットとの静かな交流ののち、ひとりこの一杯を飲む姿に誰もが自分自身の姿を重ねるのではないでしょうか?

⑥サゼラック(Sazerac)—『ドクター・スリープ』

映画との関係性

『ドクター・スリープ』はスティーブン・キング原作『シャイニング』の続編。

精神的・霊的なテーマが根底にあり、その中で登場するのがニューオリンズ発のクラシックカクテル「サゼラック」。

アブサンの妖艶な香り、ビターズの複雑な風味、ライウイスキーの重厚な味わい——。それらが混ざり合うこの一杯は、「記憶」「幻覚」「過去との対話」など、映画の核となるテーマと深く結びついています。

どんなお酒?

サゼラックは19世紀中頃にアメリカ・ニューオリンズで誕生しました。

世界最古のひとつと言われているこのカクテルの歴史は古く日本には少なくとも1920年代より前に伝わっていたようです。

サゼラックは”簡単に飲み流す”タイプのカクテルではありません。

香り、苦味、甘味、ハーブの刺激が複雑に絡み、飲むたびに新たな表情を見せてくれます。

週末は自宅で映画カクテルナイトを

映画の中のカクテルは、ただ酔うためだけのものではなく、物語を彩り、登場人物の心情や背景を語る重要なアイテムです。

次に映画を観るときは、キャラクターが手にしているグラスにもぜひ注目してみてください。

もしかするとあなたの人生の一杯がそこにあるかもしれません。

お気に入りの映画を観ながら、その作品に登場したカクテルを自分で作って楽しむのは、ある意味最高の週末の過ごし方ですよね。

映画 ✖ お酒 のマリアージュで、あなたの映画体験、お酒ライフが一段と豊かになりますように。

ではまた。

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この記事を書いた人

サラリーマンしながらブログやってます。
好きなお酒にまつわる情報や考えを、心理学や哲学など色んなネタを絡めながら発信してます。

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