MENU

「飲む」の定義を広げる『ソバーキュリアス』という選択肢

皆様こんにちは、酒好きブロガーのシサカです!

飲むほど、世界はおもしろい

これはこのブログで掲げているひとつのテーマです。

しかし、その「飲む」という言葉の定義や解釈、意味するところは、自分が思っていたよりももっと広く、もっと自由であっていいのではないかと思うことがありました。

皆さんは最近、バーやレストランで耳にすることが増えている「ソバーキュリアス」という言葉をご存じでしょうか?

目次

ソバーキュリアスとは何か?

ソバーキュリアス(Sober Curious)とは、お酒を飲めるけどあえて飲まない志向性のことを指します。

これはイギリスのジャーナリスト、ルビー・ウォリントンが2019年に出版した本のタイトルから生まれた概念で(「Sober(しらふ)」と「Curious(好奇心旺盛な)」を組み合わせた造語)、飲まないことやしらふでいることを前向きに選ぶライフスタイルを指します。

お酒を飲める人が、あえて飲まないことを選ぶ。

この新しいライフスタイルは、欧米のいわゆるZ世代から始まり、今や世界的なトレンドとなっています。

日本でも若い世代を中心に広がりつつあるこの動き。

このブログを読んでいるお酒好きの私たちこそ、この現象をネガティブに捉えずに「飲む」という体験の可能性を広げるチャンスなのではないかと考えています。

重要なのは、「禁酒」や「断酒」とは根本的に違うということ。

アルコール依存症のような疾病に対する医学的な治療としてではなく、純粋に「今日は飲まない方がいいな」という自由な選択をするという事なのです。

その日の気分、翌日の予定、体調、あるいは単純に「今はしらふでいたい」という気持ちを大事にする。

そんな軽やかな判断で、お酒を飲まない選択をする。

それがソバーキュリアスの本質です。

なぜ今、注目されているのか?

世界的にソバーキュリアスが広がっている背景には、いくつかの要因があります。

健康志向の高まり

現代人の健康志向の高まりというのは確実に大きな要因でしょう。

睡眠の質、肌のコンディション、翌朝のクリアな頭。お酒を飲まないことで得られる身体的なメリットを、多くの人が実感し始めています。

著者のウォリントン氏も著書の中で、しらふでいることで不安が軽くなり、生産性が上がったと語っています。

ミレニアル・Z世代の価値観

現代のあらゆる情報源はSNSが主流。

PCやスマホが普及したことにより情報が民主化され、「アルコールの健康への影響」に若い世代にもよく知られています。

彼らにとって、お酒は必須ではなく、選択肢の一つに過ぎません。

イングランドの調査では、「16歳から25歳の世代が最も飲酒しない傾向が強い」という結果が出ています。

多様性への意識

飲みニケーション文化が見直され、「飲める人も飲めない人も、同じ場を楽しめばいい」という考え方は広がっているように思います。

これは単なる若者のアルコール離れではなく、選択の自由を尊重する社会の変化ではないでしょうか。

日本でもアサヒビールの調査によれば、ソバーキュリアスの考え方に賛同する人は8割を超えています。

認知度はまだ低いものの、その価値観は確実に浸透しつつありますね。

選択肢の一つとして

近年、ソバーキュリアスを公言し実践している著名人も多くいます。

俳優のディーン・フジオカさん、横浜流星さん、お笑い芸人のEXIT兼近さんなど、お酒を飲まないことを公言する芸能人も増えています。

彼らに共通しているのは、「飲まない」ことを特別なことではなく、自然なライフスタイルとして語っていることではないでしょうか。

結局のところ、ソバーキュリアスは「選択肢」に過ぎません。

毎日お酒を飲む人生も、まったく飲まない人生も、その日の気分で選ぶ人生も、すべて等しく尊重されるべきでしょう。

BARシーンの進化と「モクテル」という可能性

「ソバーキュリアス」の広がりとともに、ドリンクカルチャーそのものが進化しています。

その象徴が「モクテル」です。

モクテルとは?
「Mock(模倣の)」と「Cocktail(カクテル)」を組み合わせた造語で、所謂ノンアルコールカクテルを指します。

ですがモクテルは単なるジュースやソフトドリンクではありません。

厳選された素材、調合するスキル、美しいプレゼンテーション。モクテルにはアルコールカクテルと同様にバーテンダーによる技術の粋が注がれているのです。

ロンドンやニューヨークでは、モクテル専門のバーが次々とオープンし、ソーシャルシーンの新たな選択肢として定着しています。日本でも、2020年頃からノンアルコール専門のバーが登場しました。

その中には東京の「Low-Non-Bar」など、高い人気を獲得している店もあります。

そしてさらに、特筆すべきは国産ビールの市場トップメーカーであるアサヒビールが2022年、渋谷にソバーキュリアスをテーマにしたバーをオープンしています。

100種類以上のドリンクを、アルコール度数0%から3%まで好みに合わせてオーダーできます。

季節のフルーツ、珍しいシロップ、ハーブ、スパイスなど、プロのバーテンダーが味のテクスチャーを丁寧に組み立て、アルコールがなくても満足できる一杯を作り上げてくれます。

そして何より、フォトジェニックな美しさがSNS時代にマッチしていますよね。

お酒を知っているからこそ、飲まない日も豊かになる

ここで強調したいのは、ソバーキュリアスはお酒を否定するものではないということです。

むしろ、お酒を知っているからこそ、飲まない日の選択が豊かになるのではないかと思います。

私自身、バー巡りが好きでウイスキーやカクテルの奥深さや、料理とお酒のペアリングの楽しさを少しだけ知っていると自認していますが、だからこそ「今日は飲まなくてもいいや」という選択をしたときにその意味を理解できるのではないかと思っています。

お店の雰囲気、カクテルの知識、ドリンクを通じたコミュニケーション…。

いつもより研ぎ澄まされた味覚で料理を楽しむ時間、深い会話に集中できる夜、そしてクリアな頭で迎える朝—。

いつもは酔った状態でしか認識しない光景をしらふで眺めてみると、また違った気づきがあるかもしれません。

お酒を飲まないからこそ辿り着いた世界線というのも、それはそれで価値のあるものではないでしょうか。

故に、お酒好きにこそ「ソバーキュリアスという選択肢」は世界を広げるきっかけになり得るのではないかと考えます

飲むほど、世界はおもしろい——その意味

「飲むほど、世界はおもしろい」

このブログのテーマは、お酒そのものだけでなく、それを通じて世界を味わう喜びを知るという事を目指しています。

お酒を知ることで世界が広がり、楽しくなることも、変わらない真実だと思っています。

ですが、

ここで私が大切にしたいなと思うのは、「飲む」という行為の本質です。

これは以前の記事でも書きましたが、人それぞれ飲み方はあるにせよその行為の本質は、
それを媒介に「自分の人生と積極的に関わること」ではないかというのが私の見解です。

ゆえに、味わい、楽しみ、様々な人や世界と繋がることが、それに必要な手立てになり得るのではないかと考えます。

それはすなわちアルコールがあろうがなかろうが、その本質は変わらないという事でもあります。

ソバーキュリアスという選択肢が増えたことで、「飲む」という言葉の定義と体験の幅が広がる。

それは、ドリンクカルチャー全体にとって、とても豊かなことではないでしょうか。

たとえばお酒を飲まない日に感じるクラフトコーラの複雑な味わい、トニックウォーターのキレのある酸味、季節のフルーツを使ったモクテルの華やかさ。

アルコールを摂らずしても、体験の裾野は広がっているのではないでしょうか。

お酒を飲む日も、飲まない日も、どちらも等しく世界を広げてくれる。

その選択ができること自体が、今という時代の豊かさなのだと思います。

私は「お酒」をテーマにしたブログを書いていますが、ソバーキュリアスという考え方を否定しようとは思いません。

飲む選択しかしてこなかった人が「ソバーキュリアス」を知ったことによって敢えて飲まない日を作る。

そしてそこから酩酊しているときには見えなかった景色や味わい、気付きを得ることは立派なタウマゼインだと思うのです。

タウマゼインとは
ギリシャ語で「驚き」の意。未知のものに遭遇した時に感じる知的好奇心の源泉であり、プラトンやアリストテレスはこれを重要な概念として説いた。

飲むか飲まないか、だけではなく、何をどう飲むか。

それは選択肢の一つとして、確かに存在するべきです。

その日の自分にとって最高の一杯を選択できる時代を楽しめるのは幸運なことではないでしょうか。

まとめ:もっと深く「体験」について考えたい方へ

この記事を通して、お酒を飲むこと、飲まないことの選択について考えてきました。

でもその前に、もっと本質的な問いがあります。

それは…

そもそも私たちは、本当に日々の体験を「味わって」生きているのだろうか?

—ここでひとつ推したい本があります。

哲学作家・飲茶先生の著書『体験の哲学』です

この本はまさにこのテーマを掘り下げた一冊であります。

人生とは体験の集合であり、体験を意識せず漫然と過ごしているなら、人生もまた薄ぼんやりしたものになってしまいます。

そこでこの本は、私たちに問いかけます。

あなたは「哲学的ゾンビ」になっていないかい? …と。

ソバーキュリアスという選択も、お酒を楽しむという選択も、結局は「体験をどう味わうか」という大きなテーマの一部。

バーでモクテルを注文するとき、グラスを傾けるとき、その瞬間を本当に意識して味わっているでしょうか。

普段見過ごされている日常的な体験に目を向け、その体験を意識して味わって生きる——この実践的な哲学は、「飲む」という営みをさらに深めてくれるのではないでしょうか。

お酒の歴史を調べてから味わうこと、しらふでバーの雰囲気を楽しむこと、新しいドリンクに挑戦すること。

どれも「未体験」に気づき、世界を広げる方法です。

『体験の哲学』には、5000を超える体験のチェックリストも付いています。

その中には、あなたにとっての「飲む」にまつわる未体験も必ず眠っているはずです。


飲むほど、世界はおもしろい。

そして何を前にし、何をしているかを意識すれば、人生はもっとおもしろい

私も漫然と生きることなく思考を覚醒させられるよう、精進しようと思います。

ではまた。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

サラリーマンの傍らブログ運営。
お酒にまつわる情報や考えを、心理学や哲学など色んなネタを絡めながら発信しています。
気分によって文体がコロコロ変わるので悪しからず。

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次